Brand Story
ブランドストーリー
天然樟脳を知る
天然樟脳は、その特有の香りと化学的な特性により、
古くから薬用や防虫剤、香料として活用されてきました。
樟脳の主成分は、カンファ―(Camphor)という
テルペン類の一種で、二環性の立体構造を持ちます。
樟脳特有の清涼感のある香りはこの特徴によるものです。
常温で昇華する揮発性の高さを持ちながら、
蒸気圧が低いためゆっくりと気化し、
香りが持続しやすく、衣類用防虫剤として重宝されてきました。
History
樟脳の歴史
| 1600 年代 |
文禄・慶長の役の後、朝鮮から招かれた名工たちが苗代川の地に窯を築き、その卓越した技が薩摩焼の礎を成した。日本に渡来した朝鮮人陶工の一人が樟脳の製法を伝えたとされています。 同時に、豊かな薩摩の森で育つクスノキ資源を生かした樟脳生産は藩の重要産業として発展し、陶工の技と地域の産物が互いに響き合いながら、薩摩の文化と経済を支える基盤を築いた。
|
| 1700 年代 |
江戸時代中期以降、金・銀に次ぐ日本の重要な輸出品であった。 樟脳は国内外で需要が増え、藩財政を支える重要産業に。 |
| 1800 年代 |
樟脳は海外輸出が拡大し、世界市場で高く評価される。 樟脳産業は継承され、薩摩の文化と暮らしの基盤として息づく。 ヨーロッパや中国は、需要のほとんどを日本産に頼り、長崎から輸出された樟脳の全てが薩摩産であったという記録もある。 |
| 1900 年代 | 化学合成樟脳の台頭によって昭和になり衰退。 |
| 2025 年 |
天然樟脳製造所は全国に4箇所と減少し、「風前の灯火」状態。 十五代沈壽官は、沈家に由来する歴史遺産「天然樟脳」を美山の地で復活させたいとプロジェクトを立ち上げる。
|
天然樟脳と沈壽官窯
鹿児島に息づく400年の伝統とその再生
鹿児島県日置市美山の地に根付く天然の樟脳。
その製法は、薩摩へ渡った朝鮮陶工たちとともに伝わり、陶器づくりと深く結びつきながら「東洋の白銀」と称されるほど重宝されました。
沈壽官窯も、1598年の創業以来、陶器とともにこの樟脳文化を受け継ぎ、400年以上にわたり美山の歴史を支えてきました。
1962年の専売制廃止で途絶しかけた伝統を、十五代沈壽官が復活させたいとプロジェクトを立ち上げ、2025年には〈本場薩摩樟脳製造所〉を設立し、薩摩焼にとどまらない美山地区の活性化や、未利用材を活かした森林整備、歴史資産の再生につなげています。
美山の自然と歴史から生まれた文化が、再び未来へと息づく瞬間を、ここからご覧ください。